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今、何故徒弟制度か　　
〜徒弟制度における人間性と創造性〜　
獨協経済第61号　1995年3月　紀要原文に　若干の校正をほどこし、読みやすくしました　　

戻る　次へ 　 トップに戻る	● 必然的な「万能の人」 ですから、イタリア・ルネッサンスの巨匠たちは万能の天才と言われて、一人の人が様々な分野において超人的多彩な才能を発揮します。しかし、これは実はイタリア・ルネッサンスの天才たちに特殊な形態ではなくて、徒弟制度で鍛えられた人は、その人が天才であるないにかかわらず、能力があるないにかかわらず、必然的に万能の天才を生んでいく、徒弟制度はそういう特性を持っていると考えたほうがよろしいと思います。 このことから連想しますと、現在の創造性のあり方、極めて専門化されたセクションに分割されている、細分化された中で創造性を発揮していかなければならない、非常に厳しい状態にあるのではないかと予想されます。さぞかしストレスがたまるのではないか。このたまったストレスを余暇の時間に発散するだけで終わってしまうとすると非常にもったいない、できれば余暇の時間で得たものが仕事にはね返ってくるような状態が何とか考えられないだろうか、と感じるわけです。 以上、徒弟制度においてはそのような人間性がはぐくまれる。 そして、創造性がそういう中で生まれてくる中身の部分にごちゃ混ぜに入ってまいりました。実際、人間性と創造性というものは密接不可分の関係にあり、やむを得ないと、ご理解いただきたいと思います。
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