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今、何故徒弟制度か  
徒弟制度における人間性と創造性〜 
獨協経済第61号 1995年3月 紀要原文に 若干の校正をほどこし、読みやすくしました  





   

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● 徒弟」から「職人」は自動的 (マイスター制度の「職人試験」は例外)

 当然並行して職業教育がなされまして、5年間の年季が終わります。ここで職人という段階に入るわけです。このときにドイツのマイスター制度は、職人試験がありまして、職人試験にパスすれば職人になれますが、パスできなければ徒弟の仕事をもう一度やり直さなければならない。そういう制度としてマイスター制度は徒弟制度の中では変則的な、できるなら避けてほしいという印象を持ちます。
つまり、だれでも100%、5年間勤めたら確実に職人になれる。職人になれば一人前の社会人として扱われて、給料がもらえ、そして手間賃がもらえる。
またお使いとか掃除から解放される。完全な自由意志を持つ存在として職人は確立いたします。
したがって能力が低ければ低いなりに職人になれなければならない。これが徒弟制度の根幹部分をなすと私は考えます。
職人と徒弟とは身分の差ではない、職人になるための過程である。ですから、徒弟制度を身分制度であるというのは、たまたま徒弟制度が封建社会の中で育ってきたためにそのような誤解を生んでいる。
実は経済活動であり、修行の過程である徒弟制度は身分制度ではないということが申し上げたい重要な部分です。
ここでもし徒弟が職人試験に落ちたならば、その人はやる気がなくなってしまうかもしれません。また試験は100点満点、100点以上の点はとりようがないわけですが、重要なのは105点とか120点とか、プラス5点、プラス20点という部分が実は創造性であると考えます。100点満点で100点をとったからこれでいいんだということでは創造性のところに結びつかない。ですから、徒弟制度において試験制度はなじまないと考えます。


                                  



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