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         松本彫刻          

今、何故徒弟制度か  
徒弟制度における人間性と創造性〜 
獨協経済第61号 1995年3月 紀要原文に 若干の校正をほどこし、読みやすくしました  





   

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徒弟制度における人間性

● 親によって選ばれる同業組合と工房

徒弟制度は実は余り知られていない、人が口にすることがない、甚だしい誤解を生じている部分もあるということで、徒弟制度の内容をちょっと詳しく説明しながら、この中でいかなる人間性がはぐくまれていくか考えてみたいと思います。
まず企業が求人活動をする際、企業側が就職しようとする側を選ぶ、選抜するという形をとるのが一般的です。
企業側の条件として「大学卒業見込み」という一行が入ったために、大学受験を最終的ににらんで高校受験、中学受験と非常に幼いころから受験戦争に勝ち抜くべく訓練がなされる。そういうことも含めて、企業側が人を選別する、選抜するという形をとりますが、徒弟制度においてはこれがほぼ逆の働き方をします。
ちょっと古い時代ですから、高等小学校、中学校卒業という年齢の子供、まだ自分の将来の設計がはっきりしていない。そのために父親がその子の特性を幼いころから見ておりまして、この子はどういうところに働く道を見出したら一番しあわせな人生が送れるだろうかということを考えて、特定の親方を選別することになります。
 漠然と、この子は口べたで話が下手だし、あいきょうもいいとはいえない。しかし物を造らせると最後までまじめにこつこつとやって完成させる、根気もいいし手先も器用である、だから職人に向くだろうというような漠然としたことですが、同業組合の情報をもとに特定の親方を選んで、弟子入りを頼む。大体夕ごはんが済みまして、仕事場を掃除して、ほっとたところに父親に連れられて幼い徒弟が入門してくるのが一般的な状況です。


                                  



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